怪しいとこで車を借りたらどうやら車検切れだった その1より続き
そのオフィスビル(という名の、どうみても倉庫)。
廊下を歩いているとオフィスには使われなくなった椅子とあって、いわゆる倉庫のような状態。
廊下もどこか薄暗く、電球が切れているところもあって、映画なら次の瞬間"絶対出てくる"というパターンの展開。
何もでてこないけどね、逆に人が出てくる方がコワイ。
なんとか教えられた場所にたどり着いたけど、がっつり閉まっている。
なので再度レンタカー屋に電話をかけると同じビル内だが、最初に聞いていた階と部屋番号を伝えられるという。なぜ客に無駄な嘘をつくのか……。
ここで不信感もてよ、って話なんだけど、何しろ空港で借りた高いレンタカーを返す日がせまっているのでゴタゴタ言っている余裕はない。
なんとかたどりついた先は、カレー料理店の入り口のような匂いとデコレーション。
入り口に鎮座するガネーシャ。電話で話した時からなんとなく察してはいたが、予想を裏切らない様式美が目の前に。
気持ちひいてしまい、店の前で家族で棒立ちしていると、ヒジョーに愛想がいいお兄ちゃんと、いかにもな格好をした中年女性が出てきた。
「よく来たね、フレンド!」
と、怪しさ炸裂モード、からの売り込みがここから始まる。
「うちは確かにその会社の代理店なんだけど、予約した車を用意できるけど……けどね、もっと安い方がいいよね」
だいたい安さに惹かれ、大手レンタカー会社から借りるのをやめようって人間がくるんだから、食いつかないわけがない。
「でね、うちは代理店だけどうちが持っている車を貸すこともできるわけよ。そうすっとね、同じ車種で…この値段!」と出されたプライスリスト。
安い、もう本当に安い!
ここで怪しさ指数が倍になったが、心身ともに疲れており、いわゆる「ライフはゼロよ」状態だったのであっさり契約してしまう。