裾(すそ)なら何を縫ってもらっても10RMぽっきりの話
電動ミシンを持っています。が、一度も使ったことがありません。
いきなり何を言っているのかワケわからないと思いますので補足します。
前に住んでいた国で、けっこう暇だったので、手芸でもやるかと初期投資として電動ミシンを買いました。が、よくよく考えたら自分、かつてそんなものやったことがなかった。ということで今も箱から出していません。
意識の低いやつが思いつきでなんかすると、散財するという教訓です。
さて旦那がアウトレットで刺繍のロゴが入っていると見栄えのよいパンツを2本買いました。でもそれ系のブランドって欧米仕様なんで長いんですよ裾が。
旦那の足が短いと言わないところを評価してください。
当然オルターネーション(お直し)行き。
そのアウトレットではお直し入っていなかったので、家の近所のいつものローカル系のとこに持って行くことにしました。
そこはいつでもなんでもRM10でお直しします。
暇だと30分、そうじゃなくても翌日に受け取りできます。
例えば日本のデパートのお直しの場合、シングルステッチとか、純正の糸を使用するとか色々選択肢がありますが、そこは何も聞かれません。
でもどんなものを持っていってもジャストな糸で仕上げます。
ただしマレー語オンリーです。
そのお直しスタッフのおばさんと私たちは、helloとsee ya以外はジェスチャーのみで意思伝達をしています。
でも実は以前は仲介して通訳してくれるお姉さんがいました。
専属のプロのトランスレーターではなく、単なる面倒見のよいお姉さんでしかも名前も知りません。
初めてそこに行った時、マレー語しかだめで細かいことを伝えきれないで困っていたところ、隣のショップにいたちょっと露出度高めのお姉さんが、いきなり出てきてマレー語⇆英語の通訳をしてくれたのです。
彼女のことを私たちはフェフ姉さんと呼んでいました。
というのも「月曜から夜更かし」というマツコデラックスさんの番組に出てくるフェフ姉さんという人に似ていたからです。
以来、お直しが必要になるとまずはフェフ姉さんを探すようになりました。
フェフ姉さんは暇だとフラフラして、店番をせず、飲み物を買いに行ったりして不在のこともあります。
店、大丈夫なのかと思ったら、隣どうしでちょっとどこかに行く時は相互で見ているようでした。
何回かオルタネーションに行っていましたが、そのうちにフェフ姉さんはいなくなってしまったみたいでした。
さて以前にも書いたように、うちは大家が家を売るので引越しをしたことがあります。新しい家にカーテンはついていたのですが、そのカーテンがおしゃれで生地もよいのですが……遮光性が皆無。
鳥じゃないんだから、夜明けとともに起きる習慣はありません。
新大家はとてもよい人ですが、さすがにすでにあって何も問題のない高級そうなオーダーカーテンを替えてくれというのは躊躇します。
しかも入居前にエージェントから大家のイチオシはこのカーテンなのよって聞いていただけに……。
とりあえず専門店などに遮光カーテンを見にいったのですが、うちの全ての寝室のカーテンはオーダーカーテンで、カスタマイズ一択。既成サイズが合わないことが判明しました。
そこでなるべく生地が厚くて遮光っぽい、でも安いカーテンを探しに探して、いつものオルターネーションに持っていきました。
モノがカーテンだけに、さすがに結構とられるだろうな、と思っていました。
が、試しに値段を聞いてみると1枚/10RM。
さすがに「おいおい値段のつけ方、乱暴だな」と思いました。
というか今までカーテンのお直しを承ったことがない感じで、なんだか他の人にも相談していました。
今思うとお友達(知り合い)価格、だったのでしょうか。
なんだか周りの人も、まけちゃいなよ!みたいな雰囲気だったような。
カーテンもパンツの裾上げも10RMの均一価格。
日本の緻密な職人技のカーテンのお直しの仕上げと比べるのもなんですが……恐るべし。