ママック(インド系モスリム)レストランのミーシアム(ビーフン炒め)は、辛くなかったりします。
私はおやつにチリプラウン(日本ではわかりやすく例えると、京都土産で有名な「食べるら〜油」でしょうか)をスプーンですくって食べたりするぐらい辛いものが大好きです。
酒飲みっていうのも関係しているんででしょうか。
先日、初めて訪れたママックの店でミーシアムを注文。
家族はカレーなどを注文。
さて初めて訪れたのに、知ったような顔して「スパイシーでお願いします」と注文。
今から思うと、オーダーを取りに来た女性スタッフの顔が一瞬曇ったような気もします。
しばらくして出てきたミーシアムは色こそ普通でした。
正確には、一口目は普通でした。
が、二口目を食べた瞬間、やっちまったと確信しました。
具材の下には緑の悪魔と私が呼んでいる、チリパデという唐辛子の輪切りが、これでもかというぐらい入っていました。
もちろんこれは、私が敢えてリクエストした結果です。
辛さを例えるなら、小池屋のスッパムーチョのパッケージでおばあさんが「ヒィー」ってなっている、まさにあれ。
家族は私には目もくれず、ロティやトサイにカレーをつけておいしそうに食しています。「ここのカレーちょうどいいね」とかなんとか言ってますが、私の耳には届きません。遠い国のニュースをテレビで見ているような感じです。
いきなりですが、私の母方の祖母は何代も続いた江戸っ子でした。
江戸っ子は銭湯で45度ぐらいのお湯につかっても「なんだぬるま湯かよ」とか言ったりします。
そんな意地をはる、それが「粋(いき)」ってやつに違いありません。
って、見てきたようなことを言ってしまいました。
自分に流れている江戸っ子の血。
「う〜ん、なんだか思ったよりも辛くないなあ」と、聞かれもしないのにつぶやいてみました。しかし、すでに鼻の頭を中心に汗をかいて、涙も出始めています。
旦那と子どもが私をチラっとみました。
そしてミーシアムの皿をみました。
中には明らかに輪切りの唐辛子が、まるで薬味のネギのごとく入っています。
「見た目より辛くないよ」と、またまた聞かれもしないのに言おうとした瞬間むせてしまい……
テーブルの上にミーシアム砲を放ってしまいました。
そのあとはもっと大変でした。
咳は止まらない、涙も出てくる、口の中もしびれてくる。
頭の中で「江戸っ子、江戸っ子」というワードがくるくる回っていました。もはや江戸っ子も何も全く関係ありません。
水を飲んでも口からファイアーの状態が落ち着いた頃、ナプキンで放ったミーシアムを片付け、何事もなかったように完食しました。
ママックでツウぶって唐辛子マシマシで!なんて言うと、ミーシアム砲をぶっぱなすはめになるという教訓になりました。