他人の督促状が届いた話
マレーシアにきてから郵便受けに入っているのはだいたいが請求書とかそんなの。
クリスマスカードだけはくるけど、あとはネットだからね。
それかどうでもいいようなDMとか。
というような、うちの寂しい郵便受け事情はどうでもいいとして。
請求書とかそういう連絡も全部、マレーシアだと大家の名前になっている。
なので宛名を確かめずに開封する習慣が身に付いている。
なんなら差出人も見ない。
というのもうちは玄関先にペーパーナイフがあるので受け取ってすぐシャーっと先端突っ込んで開封。
切れ味がとてもいいので、地味にストレス解消になる。
開封を積極的にするのは私。
というわけで旦那が持ってきた封書をいつもの調子で開封していたら、気づいた。
「親展」みたいのが一通混じっている。confidentialって書いてあるやつ発見。
すでにその異質な存在感が、公共料金の請求書とか、不動産屋の案内とか銀行の報告書とかとは違ってなんとも言えないオーラを放っていた。
あ、私はスピ系とかから全く逆のベクトルにいる女なんで、オーラとか適当に言ってるだけです。
しかもこの封筒、なぜか封緘が甘かったらしくてそのまま中の紙を引っ張り出せるような状態だった。
なので三つ折りになった紙を引っ張り出すと、、、、金額と支払いが滞っていることと、そしてfirst remaiderって書いてある。
なんやこれ、督促状やないか!となぜかインチキくさい関西弁で心の中で思わずつぶやく。
その額30000RMで今のレートだと70万弱というマレーシアではなかなかの大金の督促。
しかも本来の支払い期限は9月。
短絡的に旦那にいきなり喧嘩腰で「ちょっと!なんか借金した?分割でなんか買った?」と詰め寄ろうと思って封筒をつかむと、あれ?これは、
なんということでしょう!
宛名に全く知らないあかの他人の名前が薄ーーーく印刷されているではありませんか。
日本の香典袋でももうちょっと濃いだろってぐらい薄字。
宛名と住所を明るいところでよーく見ると、ストリートネームから先の番号がかすりもしないぐらい全然違う。
なぜうちの郵便受けに放り込んだ!他人の借金を肩代わりするほど金なんかないぞ!
どうせならバンサーあたりの山手の豪邸に放りこんどけ!←言ってることがめちゃくちゃ。
誰かも知らない、知りたくもない、近所に住んでいると思われる全くの他人の督促状。
その金額日本円で70万円!
こんなもの長くうちに置いておいたら、貧乏神が我が家に住み替えしてしまうかもしれない!
なのでさっさと返しに行きたいのだが、こっちは「んじゃ、ちょっとチャリで行って入れてくるわ」みたいな、誤配された年賀状みたいなことはできない。
よその住宅街に入れないようにガードがいる。
困ったと思ったけど、すぐ解決。ガードに渡しておけばいいんだと!
そこでこの督促状の宛名と思われる住宅街に行って、一応車で。
車はふつうに新車で買った、まあまあのに乗っているので、泥棒の下見とか思われることはないとは思いつつ。
そして、いつもの小汚い格好ではなく、まあまあのとこに食べに行く時のワンピース来て。
そしてややツンとした感じで話す。これが発想が貧しい私のせいいっぱいの奥様のスタイル。
あとは手紙の主が住んでいると思われる住宅街のガードの人に「あの、これうちのポストに入っていましてね」とちょっと迷惑そう言って渡すだけ。
車を停めるとガードもそれが仕事だから私に猜疑心たっぷりの顔してでてきた。
英語がいまいちだったけど、なんとか宛名を指さして、私の家の方向をさして、誤配を認識させたけど、なんと顔認証撮影されたわよ!
ちゃんと70万滞納している人に届いたかどうかはわからないけど、一応いいことしたという認識。
なんと言っても届いたのはバンクチェックとかじゃなくて督促状だから。