マレーシアに住んでいると、忘れた頃に家の中に虫が入ってくる。
もはや気にしなければいいのだが、それは無理。
そして中でも一番手強いと思うのが物量作戦でやってくる、数でおしてくる傍若無人に振る舞うあいつらです。
↑話はそれますが、この形容をどっかの人間に置き換えてみてください、直喩です。
さて朝起きて、優雅にモーニングルーティンでコーヒー!
などとCMの演出のような小芝居を打ちながらキッチンへ。
なんか擦りゴマのようなものが動いている。
アリ。それも茶色くて透けてて小さいやつ。
昨日まではいなかったので、一晩でコロニーをつくったと思われる。
なんでもトラッキングは必要なのでアリの行列をたどると、外の壁の穴から出てくる、出てくる。
ああ、気持ち悪い。
そういえば働き者の代名詞みたいに言われているアリも何割か仕事しているのを装ってサボっているとか研究発表があったな。
人間の会社でもいるからな、そういうのが。
と、しばし「働いているフリをしている」のを探したが、傍目からはわからなかった。
どの世界でもそういうやつはさすがだな。
さて自分ではなんとかするのは嫌なので旦那を呼んでくる。
アリにはア○メツが効くのは知っているが、似たようなやつでanzoutというのもふつうに効く。
今MCOなので、そこらへんのスーパーでも売っているのもありがたい。
これは餌に仕込んだ毒をコロニーに持って帰ってもらって破壊するやつなので、効果がでるのに3日ぐらいかかる。
しかも前回使ったのが3年ぐらい前なので、チューブから出したら茶色く酸化したみたいになっていた。
相手がアリとはいえ死ぬ前の晩餐に腐ったものを食わすほど鬼ではないので、新しいのを買ってきた。
そういう話でもないんだが。
前回買った時は2本入りで砂糖味だけだったのだが、マイナーチェンジしたのか砂糖味とプロテイン味の2本入りになっていた。
もともとそうだったのかどうかは知らない。数年に1回の話だから。
しかし「糖質」だとか「プロテイン」だとかジム用語が気になる。
そして旦那がごそごそやってから1時間後、アリの出現がピタッと止まった。
こんな早く効くはずはないのでアリの巣をコーキングガンかなんかで塞いだのかと思いきや、手にはワンプッシュがにぎられている。
「蚊まででてきたのか」と聞くと、アリの巣の中にワンプッシュを噴霧したという。
ひるんでいるだけの可能性もあるなと思ったが、結局あれからほぼ1週間、どうやら全滅させられた模様。
いろいろ深く考えるとエゲツない話ではある。